奈良漬(瓜)のできるまで

漬菜栄吉の奈良漬は肉厚で歯切れの良い「白瓜」を使っています。

奈良漬は漬ける際に重なりすぎると味がばらつき、隙間が空くと空気が入り酸化して商品になりません。そのため植え付けから製品化まで約2年という歳月をかけ、手作業で製造しています。また、原料である瓜から酒粕まで全て国産にもこだわっています。

契約農家による瓜の定植と栽培
「白瓜」は土が肥え、水はけの良い土地である徳島県の契約農家で栽培されています。
瓜の苗は弱いので土佐南京の苗に接ぎ木をし、日照、水、病気などの対処をしながら育てます。
6~8月頃にかけて形、大きさの選別をしながら1個ずつ手作業で収穫します。

塩漬け
収穫した瓜を二つに割って中の種を抜き、25%の飽和食塩水で一昼夜つけた後、別の漬け込み槽に瓜を一本ずつ並べて塩分25%で塩蔵します。

下漬 (最初の漬け込み)
塩漬けで保存しておいた白瓜を下粕で漬け込みます。6ヶ月以上漬け込み、塩分は20%程に減ります。

中漬 (2回目の漬け込み)
下漬で使った粕をぬぐい取り前回上漬に使った粕を再利用して漬け込みます。

漬け込む期間は4~6ヶ月。塩分が約14%に減少し、酒粕の風味が瓜に入っていきます。

上漬け(3回目の漬け込み)
新しく調合した酒粕を使い、中漬と同様に古い粕をぬぐい取り、新しい粕に漬けかえます。

上漬は主に味付けをする期間。塩分は8%に減ります。

仕上漬(4回目の漬け込み)
新しく調合した酒粕を使い、上漬けまでと同じように古い粕を取り、新しい粕を一本ずつ丁寧に2か月以上漬け込みます。塩分は約4%になります。

《出来上がり》
塩漬けから約2年をかけて仕上がった大名漬は塩分約4% アルコール分5% 、べっ甲色の芳醇な香りの奈良漬になります。

うなぎと奈良漬

お米からできた酒粕には酵母菌、酵素などから変化した多くの栄養素がぎっしり詰まっています。漬け込んで熟成する内に茶色く変化し「発酵力」を増します。そうして出来上がった奈良漬には細胞膜を丈夫にする作用を持つ成分「メラノイジン」が含まれています。細胞が丈夫であれば栄養素を吸収しやすくなります。

「うなぎ」はビタミン類、カルシウムなどを多く含んでいるので「うなぎ」と一緒に「奈良漬」を少し食べると栄養分を有効にとれることから、うなぎに奈良漬と言われています。

土用の丑の日だけでなく、ちょっとしんどいなと思った時に是非ご賞味下さい。